ガン見してくるセリア

アメリカの高校生活も後半(2学期)に入り、国語(英語)の文法を中心としたクラスを受講していた。この生活もあと1ヶ月という頃、3つ年下のメキシコ系女子セリア(Celia)がクラスにやってきた。

広めの教室に30席ほどあるが、生徒は4、5人でみんな避けるように座っている。個々に与えられた課題を黙々とこなすだけのクラスで、先生との距離が遠い。そこにやってきたセリアは、必ず私の2つ前の席に座っていた。

課題を終えると先生のところへ持参し、先生のチェックを受けたあと自分の席へ戻る。そうしたやりとりが1回の授業で1、2回ある。そのたびにセリアの席の横を通る。初めのころは特に気にしていなかったが、何度も通り過ぎていくうちになんだか変な空気を感じるようになり、ふとセリアに目をやると真顔でこっちをジーッと見ている・・・翌日も、翌々日も・・・

セリアがこのクラスに来て2週間ほどたったある日、いつものようにこっちをジーッと見ているセリアに気付いた振りをして笑顔を返すと、セリアの表情が急に緩みニコッと笑顔を返された。それからというもの、笑顔だけのあいさつから手を振ってあいさつと・・・じわりじわりと近づいているようだが・・・

その時点でアメリカの高校生活の終わりまで2週間。このまま付き合うことになってしまったら辛いことになると・・・

私は高校生活が終われば日本へ帰国してしまう。セリアを日本に連れて帰るには若すぎる。私がまたアメリカへ行くにも、この留学中に親が破産寸前に追い込まれてしまい、帰ってしまえば当分の間、戻ってこれないのは目に見えていた。そんなことばかり頭をよぎり、それ以上、近づくことができなかった。

留学当初に出会えてたら、きっと付き合っていたことだろう。

 

 



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